SQUARE JOURNAL Vol.02 FURNITURE

SQUARE JOURNAL Vol.02 FURNITURE

PEERLESS MATERIALS
PEERLESS MATERIALS

 SQUAREの家具はすべて、他にはない独自の格好良さを追求した無骨なテイスト。だから、SQUAREの家具同士であれば、どんな組み合わせでも様になることを保証できる。この無骨な格好良さは、自分たちだけで創り上げたものではない。たくさんの人たちの技術と想いで成り立っている。

 SQUAREの代名詞とも言える無垢の木材は、創業当時から同じ木材商社の同じ人から仕入れている。アメリカで製材した板を輸入し、大手企業にトラック単位、コンテナ単位で販売している商社だ。本来は小売りを相手にしない。しかし、金もなく木材の保管場所もなかった当時のSQUAREに「5〜6枚だけでも売りましょう」と言ってくれる人がいた。おかげで様々な木材を数枚単位で購入し、ベストな樹種とグレードを探し当てることができた。今では毎月トラック満載の木材を仕入れている。何の実績もない家具屋との取引に応じてくれた担当者には、感謝してもしきれない想いだ。だから他社が売り込みにきても、決して浮気はしない。SQUAREのメインとなる木材はその商社から仕入れると決めている。

 SQUARE家具に欠かせない鉄の加工を手掛けているのも、創業当時から同じ人。ともに試行錯誤しながら製作してきた。通常、鉄を溶接する場合、溶接部に鉄がはみ出るくらい粗く仕上げてからグラインダーで削って塗装で隠す。

しかし彼は素晴らしい溶接技術を持っていて、溶接箇所は惚れ惚れするような美しさ。売り込みにくる他の鉄工所が「このクオリティはうちでは無理や」と諦めるレベルの仕上がりだ。まさに職人技。だからSQUARE家具の鉄部には塗装がない。

 ソファなどに使う革は、兵庫県たつの市の工房に製作してもらっている。本来は、百貨店に並ぶようなバッグの革を加工しているところ。小さな傷や汚れも許されない、繊細な加工をしている工房だ。しかしSQUAREが求めるのは、素材の傷やシワを活かした無骨な仕上がり。何度サンプルを作ってもらってもキレイ過ぎる。そこでサンプル用の革を全部買い取り、満足できるまで2年近く試作を重ねてオリジナルの革が完成した。そのこだわりの革でソファを製作。そのクッション材にもひと苦労があった。僕たちが求める「バフッとした座り心地」を理解してくれる人を探して、何軒の製作所を巡ったことか。ついにこちらのオーダーに応えてくれる人に出会い、今もクッション材はその製作所にお願いしている。

 SQUARE家具に共通するのは、素材のクセを活かした無骨な表情。その格好良さを理解し、妥協なく追求してくれる人たちが、今ある家具を生み出してくれている。すべての家具にはストーリーがある。